夏休みが始まったけど
みなさん、夏休み始まりましたか?テストの関係で7月から夏休みが始まってたシラオサです。
久しぶりのブログ更新です。実は夏休みに入る前にあるネタ記事を書こうと思っていました。それは「規則的な夏の過ごし方」という、事前に夏休みにしたいことをリストアップしたものからくじ引きをして時間割をつくって過ごすといった内容の記事です。ええ、面倒くさくなってまだやってないです。ずっと家にいると何もしたくなくなってきて駄目ですね。適度な外出は必要。
ってなわけで8月最初の記事がなくなってしまいました。どうしよ。何も浮かばない。今は夏だよな。夏っぽいもの。なにかあるかな。
はい、今回は怪談を創作します。どうぞ。
テレビからは金属バットの快音が響く。ソファには汗が滲み、冷えてたコップには水が滴っている。そして玄関が開き外の音が風のように流れ込む。
「先生、クーラーもないのによく締め切った部屋でいられますね。外のほうが涼しいですよ」
「君のように蝉がうるさいからだよ」
「はいそうですか」
助手はソファー横のテーブルに車のキーを置き、鞄から書類を取り出した。
「相手方からは特になにもありませんでした」
「ならよかった」
ここの事務所では何かが起きなければ会話は終わる。助手は書類を棚にしまいながらそう考えた。
「ねえ、先生。涼みません?」
「涼むって?」
「ほら怪談なんてどうですか」
「甲子園を見てるからあとにしてくれ」
「その試合、大阪代表が勝ちますよ。これでいいでしょ」
「君、事件だぞ」
「録画を観てる方が悪いんです。早く起きればいいじゃないですか」
停止ボタンを押し、先生と呼ばれる男はこう言った。
「この事件の決着は」
「私が納得をできるような話をしたらですよね」
男はコップに残った僅かなビールを飲み干した。
「私がまだ小さい頃の話です。私の村ではある掟がありました。化学繊維を着てはいけない。村の誰もが知る掟です。この掟を調査しにある男性が村に来ました。その方は民俗学者で大学に勤めていました。私の村の特殊な掟が気になって調査に来たのでしょう。調査内容はその村の人が着ている衣服についてと掟そのものについての聞き込み。もちろん男も絹の着物を着て。朝早くから始まった調査は村が小規模なのでその日のうちに終わりました。どうやら養蚕が盛んだったこの村では化学繊維の台頭で路頭に迷った農家が多く、そこからこの掟が生まれたと男はノートに書いています」
「ほほう」
「その日男は村のある家に泊めてもらうことになりました。東京から学者さんが来た、もてなさなければとなったそうです。いかにも田舎臭いですよね。でも民俗学者にとってはこんなにありがたいことはないそうで、快くもてなされ、そこの家に泊まりました。でも男に気がかりなことがありました。履いているパンツに化学繊維が使われていたのです。お風呂に入るときに気づきました。でも男は何もすること無くそのまま客用の部屋でノートを付けてから眠りにつきました。しかし、なんだか熱いのです。男は目を開けました。そうしてこう言いました。養蚕農家のババアの霊だ!乗るな!男の上に女がいました。女はこう言います。あんた化学繊維身につけてるな。男はそう言われて固まりました。見に覚えがなかったようで。女は股間を触ってこう言います。ここに化学繊維があるな!脱衣所で見たぞ!!!」
「へ?」
「女はパンツを脱がしました。そうしてなんやんかんやでできたのが私です。」
「小さい頃ってそういうことかよ……」
以上、創作怪談でした。